【Win10魔改造】低スペWinタブレットPCを快適に使うためにやったこと【U1C】

※この記事の内容はPC上級者向けの内容です。やり方の詳細は一部あえて書いていない部分があります。大まかなやり方と使うソフト類は記載しています。一般的に、同様の作業をすることは推奨されません。

ドンキで税抜き19,800円で販売されていて、重量も1キロを切る2in1タブレット「U1C」。
筆者は外で作業することが多いため、持ち歩き用のサブ機としてサイズと重量が気に入ったので購入しましたが、あまりにも処理が遅かったり、フリーズが多かったり、ただネットで記事を書くだけでも使い心地に問題を感じました。

しかし、性能をよく見てみれば、CPUはベンチマーク性能的にはCore2 Duoの3Ghz相当はあり、メモリは4GB搭載。
Windows7なら快適に動作する性能はあります。では何が悪いかという話をすると、基本ソフトウェアがダメ。生意気にWindows10の64bit版を搭載しているため動作がモタつきます。Windows8か、Windows10の32bit版ならもっと快適だったことでしょう。

ジブン専用PC&タブレット U1C
ジブン専用PC&タブレット U1C ドン・キホーテ公式より
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ただ、文句を言っていても仕方がないです。ソフトに問題があるなら、ソフトを何とかすればいい。Windows10を魔改造して、快適にネット閲覧、記事を書くなどの作業ができるようにしたので、その方法を備忘録として残しておきます。

※この先に書いてある手法は、あくまで筆者による備忘録です。システムファイルの削除など、重大な危険を伴う作業をします。間違えるとPCが起動しなくなる恐れがあります。真似する場合は自己責任で行ってください。真似したことによる損害に、筆者と近江通信は一切責任をとりません。「作業の意味、何をしているか解っていない場合は絶対に真似をしないでください。」

作業の大まかな流れ

大まかな流れとしては、こうなります。

①フルバックアップ作成
②フルアップデートと空き容量確保(危険)
③仮想メモリの容量固定化
④不要なアニメーションの停止
⑤Windows Defenderを削除(超危険/効果絶大)
⑥svchost.exeをグループ化(危険/効果大)
⑦Autorunsで不要サービス類を停止(超危険/効果絶大)

①フルバックアップ作成

これからの作業ではシステムファイルの削除などを行いますので、痛い目を見ないようにバックアップを作成します。

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バックアップには「Reflect」を使いました。
「Reflect」
https://www.macrium.com/reflectfree

※バックアップには外付けのUSBメモリまたは外付けHDDが必要です。ブータブルメディアも作成する必要があるので、外付けメディアは最低でも2つ必要です。

ブータブルメディアの動作確認は必ず行いましょう。U1Cの場合、起動時のUEFI画面でESCキーを押し、ブートデバイスへ移動してから、ブータブルメディアが起動可能です。やり方はあえて詳細に書きませんが「フルバックアップの作成」と「ブータブルメディアの起動」ができなかった場合、これ以上先の作業には進まないで下さい。

②フルアップデートと空き容量確保

Windows Update(Windowsの更新)で最新までWindows10を更新し終わったら「PC」からシステムディスクの「プロパティ」を開き、「ディスクのクリーンアップ」から「システムファイルのクリーンアップ」を選択し、不要ファイルを全てクリア。

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さらに、第三者ソフトPatchCleanerで不要なシステムファイルを削除。
「PatchCleaner」
https://www.homedev.com.au/Free/PatchCleaner

最新版のWindows10でも、64GBしかストレージ容量が無いU1Cにおいて30GBほど空き容量を確保できる筈です。

③仮想メモリの容量固定化

仮想メモリは容量が固定されていないとデータの断片化を引き起こしたりすることがあると言われています。
それを防ぐために仮想メモリの容量を固定化することで、もしかするとちょっと快適になるかもしれません。

エクスプローラーを開き「PC」を右クリック「プロパティ」をクリックし、システム画面設定画面を開き「システムの詳細設定」にアクセス。システムのプロパティが開くので「詳細設定」に移動。「パフォーマンス」の設定から「詳細設定」に移動し、「仮想メモリ」をCドライブに初期サイズ「4096MB」最大サイズ「4096MB」に設定。

④不要なアニメーションの停止

アプリケーション実行時に、ふわーっと開いたりするアニメーション。通常の使用には不要なばかりか、動作が重たくなる原因にもなり、さらにはアニメーションが表示されている間には待ち時間があるので、オフにします。

エクスプローラーを開き「PC」を右クリック「プロパティ」をクリックし、システム画面設定画面を開き「システムの詳細設定」にアクセス。システムのプロパティが開くので「詳細設定」に移動。「パフォーマンス」の設定から視覚効果を好みでカスタム。「スライドして~」「フェードして~」「アニメーションで~」等をオフにします。(お好みで)

⑤Windows Defenderを削除

Windows10の標準セキュリティ機能「Windows Defender」を削除します。
Windows10が重い原因はだいたいコイツと言って差し支えないレベルに重い機能です。
U1CではCPUを常時35%ほど占領したりと、とんでもない体たらく。

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一応、削除方法は別記事でも解説していますが、以下にも記載します。
別記事:【備忘録】Windows10からDefenderをデータごと本当に削除する方法
https://ouminews.net/2021/11/how-to-delete-defender/

※削除する前に、必要に応じて第三者セキュリティソフトを導入しておきましょう。
KINGSOFT Internet Securityが個人的にはおススメです。
「KINGSOFT Internet Security」https://www.kingsoft.jp/is/

以下、Windows Defenderを削除する方法

1、強制ファイル削除ソフトIOBIT UNLOCKERをダウンロード&インストール

セーフモードでもたぶん同様の操作ができますが、U1Cはセーフモードに入るのがちょっと面倒くさいので、強制ファイル削除ソフトを利用します。

IObit Unlocker をダウンロード&インストールしてください。

「IObit Unlocker」
https://jp.iobit.com/pc-optimization-software/iobit-unlocker-free.html

2、次の7つのフォルダをIOBIT UNLOCKERで削除

(必要に応じて先にバックアップを作成すること)

C:\Program Files\Windows Defender
C:\Program Files\Windows Defender Advanced Threat Protection
C:\Program Files\Windows Security

C:\Program Files (x86)\Windows Defender

(エクスプローラーの表示設定から隠しファイルを表示する設定にしないと表示されないフォルダ内)
C:\ProgramData\Microsoft\Windows Defender
C:\ProgramData\Microsoft\Windows Defender Advanced Threat Protection
C:\ProgramData\Microsoft\Windows Security Health

※一部、削除に失敗とでるフォルダがありますが、フォルダが残っているだけで中身は消えています。残ったフォルダはエクスプローラー上から削除可能です。

3、次の4つのEXEファイルをIOBIT UNLOCKERで削除

(必要に応じて先にバックアップを作成すること)

C:\Windows\System32\SecurityHealthSystray.exe
C:\Windows\System32\SecurityHealthHost.exe
C:\Windows\System32\SecurityHealthService.exe

C:\Windows\System32\smartscreen.exe

以上でWindows Defenderを削除することができます。

DISM系のハックでDefenderを消す方法も海外では報告されているようですが、その方法だとWindows Updateが機能しなくなるので、たぶんこのやり方の方がベターです。

⑥svchost.exeをグループ化

Windows10でタスクマネージャーを開いた時に、以前のOSと比較して目立つのは起動しているプロセス数の多さ。
これは、以前のWindowsではグループ化して実行していたsvchost.exeが、バラバラに実行されるようになったためです。
システムの安定化のためと言われてますが、メモリが4GB程度の低スぺPCにとっては大きな負担となります。このサービスバラバラ実行を無効化すれば、メモリとCPUへの負担を減らすことができます。

まず、「regeidt」ことレジストリーエディタを起動。次に「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\」の
「SvcHostSplitThresholdInKB」の値を10進数で「8388608」に設定。

これで、搭載メモリ8GB以上からでのみサービスプロセスを分けるようになります。再起動後に有効になります。
8GB以上でも無効化したい場合は、値をカスタマイズしてください。再起動後には、常時起動プロセス数が120ほどから、80ほどまで減少します。

⑦Autorunsで不要サービス類を停止させる

AutoRunsをダウンロードし、適当なフォルダに解凍。
「AutoRuns」
https://docs.microsoft.com/en-us/sysinternals/downloads/autoruns
ツールを起動して不要なスタートアップサービス類を排除する。

※停止しても良いサービス類は各自で吟味する。実際に試すなどして研究してください。サービス名を検索すると、ネット上に情報は沢山出ています。ただ、U1Cの場合Realtek系のサービスは停止すると、イコライザーがかけれなくなるので注意。

 

以上で、後はパソコンを再起動すると、ネット閲覧程度ならかなり快適にできるようになっていると思います。

 

メモ:

おまけ①その他にやったこと

・動画視聴用にブラウザ「Opera」の導入

筆者がU1Cで「Firefox」「Opera」「Chrome」「Edge」と主要ブラウザを全て動作確認して、ニコニコ動画のような重めの動画サイトでコメント表示状態で最もフレームレートが出たのがOperaでした。YouTubeでも最も体感速度が早かったのがOperaだったので、U1Cでのネット動画視聴にはたぶんOperaが一番快適だと思います。

Opera
https://www.opera.com/ja/download#opera-browser

・Fire Foxの設定変更

筆者のメインブラウザはFireFoxで、記事もFireFoxで書いていますが、どういうわけかU1CではFireFox系ブラウザでだけ動画がカクカクしていました。設定を変更すると動画のカクカクは収まりました。
設定方法は別記事に→【メモ】Fire Fox系ブラウザで”だけ”動画がカクカクした時の対処法
ただ、この最適化をした状態のFireFoxよりも、素のOperaの方が動作は快適です。

・Driver Boosterで全ドライバーを更新

ソフト「Driver Booster」で全ドライバーを更新しました。
体感できる動作速度の向上はありませんでしたが、精神的には嬉しい感じです。

Driver Booster
https://jp.iobit.com/driver-update-software/driverbooster-free.html

・Steam Link(パソコン遠隔操作ソフト)を導入

どうしても動画編集などの重い作業が必要な時に使える手段です。重い操作はメインパソコンを遠隔操作して実行。それをするためにSteamLinkというリモートデスクトップアプリを導入しました。スマホのテザリング回線を使ったU1Cでも少ない遅延で快適に自宅パソコンを遠隔操作して、動画編集などの作業ができました。

遠隔操作をする側にインストールするSteam Link のダウンロードはこちら(ページ真ん中あたり)
https://store.steampowered.com/remoteplay?l=japanese

遠隔操作をされる側はSteamをインストールしてログインし、自動でスリープ等しないように設定し、外出先でも使えるようにペアリングをしておく必要があります。

ちなみに、Steamのストリーミング機能で外出先からテザリング回線でU1Cをクライアントとして、GTA5をプレイしてみましたが、シングルプレイなら遊べるレベルでした。Steamスゲェ…..。

おまけ②やってダメだったこと

・Windows7のインストールと起動

スペック的にはWindows7なら快適に動作するはず。しかし、eMMC上にWindows7をインストールしたり、Windows7を起動することは事実上不可能のようです。

新規インストールはどうやっても無理だったので、仮想環境でセットアップしたデータをクローンして走らせようともしました。その際にUEFIのCSM制限は「uefiseven」というソフトウェアで突破はできましたが、そこから先が無理でした。eMMCのドライバ関係でクラッシュ。システムレベルでU1C搭載のBiwin製eMMCは対応できないようです。一部システムファイルをWindows10から移植など、色々試みましたがダメでした。

eMMCを採用していない他の低スペック2in1タブレットだとアリな方法かもしれません。

・Windows8のインストールと起動

Windows7と同じ理由で無理でした。搭載しているBiwinのeMMCがシステムレベルで対応していません。
eMMCを採用していない他の低スペック2in1タブレットだとアリな方法かもしれません。

・Windows10 32bit版のインストールと起動

スペック的に、32bit版のWindows10なら結構快適に動作すると思います。
しかし、U1CのUEFIはCSMによるMBR起動に対応しない64bit版の第三世代UEFIのため、32bit版OSはインストールメディアの起動すらできません。仕方がないので仮想環境からのクローン作戦に切り替え。

どこかで見た話では、32bit版のUEFIの場合はgrub2を経由すれば64bit版のWindowsを起動できるという物もあったので、その逆ができるか試すことに…..。

まずは「Virtual Box」で「MAC OS X(32bit)」の仮想マシン(32bitのUEFI環境をエミュレートできる)を作成し、そこにWindows10の32bit版をUEFIインストール。インストール後に仮想マシンの種類をWindows10-64bitに切り替え、64bit版UEFI上にGrub2をインストール。エントリを修正して起動を試みてみましたが起動せず。どうも無理っぽいです。

CSMに対応したUEFIを搭載した2in1タブレットではアリな方法かもしれません。

・Boom 3Dでスピーカーの音質改善を試みる

U1Cのスピーカーの音質は価格並みのもので、あまり良くありません。
ごろ寝でアニメ視聴をしていても、いまいち音質が悪く、キャラクターの声やBGMがよく解らない時があります。
U1Cに最初から入ってるRealtek Audio Consoleからイコライザーをいじれば、気持ち程度はマシにはできましたが、ちょっと物足りないと思いました。

そこで、追加のイコライザーや3Dサウンド技術で誤魔化しをかけれないかな?と思い、Boom 3Dという3Dサウンドイコライザーソフトの30日体験版を導入。設定を煮詰めればさらに少しだけ音質をマシにすることができました。
しかし、U1CではBoom 3Dを起動していると、CPUを常時30%ほど使用することが判明。処理は遅くなり、バッテリーの減りも早くなるということで、メリットに対してデメリットが大きすぎたため、使用を断念。こういう使い方するソフトじゃないだろうし仕方がないか….。

おまけ③ Windows11をインストールしてみた

U1CはCPUのみWindows11対応外。ネットに載っている情報を元にCPUチェックを回避すれば、Windows11をインストールすることは可能です。

※ネットに載っている情報の例
ニッチなPCゲーマーの環境構築Z
TPM 2.0 / CPUチェックを回避してWindows10からWindows11へとアップグレードする方法 [Update 1]

無事に動作はしたものの、U1Cの環境ではWindows11はかなり動作が重く、使い物になりませんでした。
上記にある方法と同じ方法でsvchostをグループ化、Windows Defenderを無効化して、ある程度軽量化はできたものの、Windows10よりもかなり動作が重く、この端末でWindows11を使うメリットが全く感じられなかったため、バックアップからWindows10に戻しました。

一応、機能面では特に不具合は無く、デバイスマネージャーでも全デバイスが認識されていて、SDカードも認識していました。(※Driver Boosterを使用したことも関係しているかも。)

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著者: 中村書記

交通ニュースなどを主に書くライター。三度の飯よりドライブが好き。法学系の人なのにすごく残念な人。Twitter:@oumi_nakamura / プロフィールページ