渋滞の中で一定の速度をキープして、最小限の加減速で走ることで渋滞の速度差を吸収し、後続の流れを改善する運転のことを「渋滞吸収運転」それを実践する車を「渋滞吸収車」と表現することがあります。
これはJAFでも実験され有用性が評価されていますが、まだあまり認知されておらず、車間を開けて低速で走る行動に不思議に思う人もいるようです。
2021年10月22日に投稿されたツイートでは、渋滞吸収運転を実践しているとみられる車に対し、「クッソ低速で走ってて、渋滞を悪化させてた」とする内容が記されていました。
公開されたツイート・動画はこちら
普通に山手トンネル渋滞してるんだけど、それに併せて前が空いてるのにトゥデイがクッソ低速で走ってて、渋滞を悪化させてたwwwww pic.twitter.com/RLlU2LH5p1
— メンヘラなみつお (@mitsuoracing) October 22, 2021
動画では撮影者の左側の車線を、軽自動車が前のトラックとの車間を広めに開け、定速で走行している様子が記録されていました。お手本のような渋滞吸収運転です。
※一見、車間距離を空けすぎのようにも見えますが、トラックの後ろを走行する場合には、トラックの車体の大きさにより、トラックよりさらに前の状況が見え辛いので車間距離を通常よりも広く開けることは「無駄なブレーキやアクセルを避けるため」「そうした操作による疲れを軽減するため」「渋滞を吸収するため」に賢明な判断と言えるものでしょう。
今回は定速で走っていた軽自動車のそうした意図が伝わらなかったのか、動画を撮影され「渋滞を悪化させてた」とツイートされる少々悲しい結果になってしまったようですが、該当ツイートには「渋滞吸収ではないか?」とする声が多く寄せられ、1000を超えるリツイートがされ、渋滞吸収運転の認知に一役買ったようです。
【コラム】
紹介したツイートのリプライを確認すると元ツイートの「クッソ低速で走ってて、渋滞を悪化させてたwwwww」とする、晒し上げるような文調に怒りを覚えたのか、ツイート主に対して誹謗中傷じみた内容や、人格を否定するような内容をツイートが送られている様子も確認できます。
確かに、晒し上げるような文調で車種を特定できる動画をアップロードしたことには、軽自動車の運転を否定するような一定の害意があるようにも見受けることができます。
ただ、例えツイート主がどこかの誰かを傷つけるようなツイートをしていたとしても、罪は個々の物。
それがツイート主を傷つけるようなツイートを正当化できる理由には決してなり得ません。
ツイート主に対して酷いことを書いたなら「ツイート主を傷つけるという意思を持ってツイートをした」という事実は発生し、ツイート主がそれで傷ついたのであれば「ツイート主を傷つけた」という事実が発生し、それを正当なものだと思ってやったのであれば、言葉の暴力という一種の「暴力を正当化して行使した」という事実もまた発生します。
言葉の暴力の行使だって、当然罪の一つ。日本の法律的な考え方でも、多くの宗教の考え方でも明確に「罪は個々の物」されているため、そこには罪があると言えるでしょう。正当化された言葉の暴力という、近年SNSでよく見られる残念な人の所為が見られる一連のツイートでした。